黄柳川と宇連川の合流地点には、並んで架かる2つの橋がある。ひとつは車が行き交う現役の橋、そしてもうひとつは歩行者専用となっている旧橋だ。

それぞれの橋は「黄柳橋」と呼ばれ、特に歩行者専用の「旧黄柳橋」は歴史的な建造物でもある。
橋のわきにある階段から河原へ下り、下から旧黄柳橋の姿を確かめてみることにした。
「黄柳橋」の下から見上げる「旧黄柳橋」

階段を下り、黄柳橋(3代目)の真下へ。そこから旧黄柳橋(2代目)を見上げると、木々の緑のすき間から見事なアーチを描く橋の土台が姿を現した。
…橋の上を歩いているときとは、全く違う印象と迫力があるな。
代々受け継がれる「黄柳橋」
2代目3代目と触れているが、もちろん初代の橋も存在した。1880年代の道路整備を経て、1891年にここに初代黄柳橋は架けられた。当時としては珍しい木組みのアーチ橋であったようだ。

その後、交通量により頑丈な橋の必要性が高まり、1918年に誕生したのがこの旧黄柳橋(2代目)。当時の最先端の技術を結集して造られた、コンクリート製のアーチ橋である。
アーチの支柱間隔は当時日本最長となる30.3mを誇り、後に東京都の「聖橋」にその記録を譲るまでは、日本一を守り続けた歴史を持つ。
長らく使われ続けた旧黄柳橋であったが、3代目の橋が造られる際に一時は解体も検討された。しかし、貴重な建造物として保存を求める声があがり、歩道専用の橋として存続が決定。1998年には国の「登録有形文化財」にも指定され、新旧の橋が仲良く並ぶ形となった。
河原から眺める「旧黄柳橋」の造形美

階段を下りきると、目の前には澄んだ黄柳川と河原が広がる。橋の影に柔らかい光が差し込んだ渓流には、せせらぎが心地よく響く。
夏の新城市の川辺は、思わず足を浸したくなるほどの清涼感がある。

河原に立ち、あらためて旧橋を見上げてみる。橋の上を歩いていると素朴な印象であったが、こうして下からのぞき込むと圧巻の存在感。渓谷に架かるその橋は豊かな自然と見事に調和した、美しい造形美であった。
…こうして橋が一つの絵のように自然と溶け込む姿を眺めてみると、「残されてよかった」と心より思えてくる、そんな味わい深い景色であった。
アクセス情報
最寄りに駐車場はありません。本長篠駅から歩いて行きましたが約10分ほどでした。




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