一つの山に二つの寺社 新城市【鳳来寺】 

新城市散策

東照宮を後にして、鳳来寺へと向かう。山林を抜けて明るくなりそうだ。

途中にあったアイスクリームと書かれたお店を発見。訪れた時期(7月)に食べたかったが、お店は閉まっていた。残念。

鳳来寺の横手にあるたくさんの絵馬。絵馬の中央に鏡がある。

鏡絵馬と呼ばれ、本尊の薬師如来の智慧を鏡にたとえる習わしがあり、その風習が鏡の形をした絵馬となっているようだ。

鳳来寺本堂へと到着。

時間帯や天候にもよるが、山林の中にあった東照宮とは対照的に太陽の光を一気に差し込み明るい印象を受ける。陰と陽といった感じだろうか。

鳳来寺は、鳳来寺山開山の祖である利修仙人によって開かれたとされている。度々、鳳来寺山や新城市のことを記事にすると利修仙人を書いている気がする。仙人は1300年も前に、当時の文武天皇もんむてんのうが病気になった際に祈祷をし、病気を治したという伝説があるようだ。天皇からのお礼として伽藍が建てられ、仙人が鳳凰に乗って都へ赴いたことにちなみ鳳来寺と名付けられた。本尊の薬師如来。

その後も、鳳来寺は歴史上の偉人たちにも関わりがあり、殺生禁断の地として命を守ってきた。13歳の源頼朝は平時の乱で敗走した際に鳳来寺の僧坊に匿われたり、徳川四天王の井伊直政も幼少期に命を狙われた際に鳳来寺に預けられその難を逃れたとされる。

また、徳川家康の生誕にも関りがあり、家康の父の松平広忠と母の於大の方は鳳来寺の医王院にて世継ぎの子を授かりたいという思いから本尊の薬師如来に祈願をし、家康を身籠ったとされた。

鳳来寺山側からの入り口。奥に屋根付きの休憩場があり、何人かの登山者が休まれている。

休憩しながら景色を眺める。山々が一望でき、絶景である。人工物はあまり見えず、本来あるべき山の風景をそのまま眺望することが出来る。

7月であり木々は青々としているが、紅葉時期になるとパンフレットに載るような赤く色付いた山となる。その頃には多くの登山者や参拝者が訪れるだろう。

鳳来寺山の切り立った岩肌である屏風岩は、ガラス質の岩が鏡のように光に反射することから鏡岩と呼ばれている。鳳来寺と合わせて鳳来寺山の象徴でもある。

休憩場がある一枚の絵。地元の学生が描いたものだろうか。

鳳来寺山に生息しているとされるコノハズクは「ブッポウソウ(仏法僧)」と鳴くようだ。昭和初期まで、この鳴き声はブッポウソウという別の鳥の鳴き声と考えられており、そう名付けられていたが、NHK名古屋放送局が声の主を特定するために鳳来寺山に訪れてラジオ中継を行いコノハズクが発していることを確認する。そのため、コノハズクは「声の仏法僧」といわれているようだ。

帰り際、パークウェイ駐車場入り口に一匹の白い犬の写真が載っているのを発見。色褪せており、かなり以前の写真(コピー)であろう。白い犬は「ちんねん」という。

地元で飼われていた犬であり、新聞配達犬として雨にも負けず鳳来寺山の石段も登っていたようだ。地元の方や観光客にも認知されており、可愛らしく名物犬として愛された。

2009年に20才で生涯を閉じたとされている。日々欠かさずに鳳来寺山を駆け上がったことが長寿を全うできた秘訣なのかもしれない。

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