日本が舞台の異色のサイレントヒル 【サイレントヒルf プレイレビュー・感想】

サイレントヒルfのレビュー、感想 ゲーム

2025年9月25日に発売された「サイレントヒルf」 開発は海外スタジオのネオバース。 

シリーズ復権タイトルとして2のリメイクと一緒に発表されてから3年ほどが経ち、昨年発売された2のリメイクとともに無事に発売された。始めは今までのシリーズと比べて違ったテイストであり購入をしようか迷ったが、シリーズファンとして購入することにした。

本篇とそれぞれエンディングをクリアし、思ったことや感じたこと、感想を列挙していこうと思う。

※ストーリーのネタバレは極力控えておりますが、システム面などゲーム部分に触れるところはありますのでこれからプレイされる方はそこを踏まえての閲覧でお願いします。システム面などはアップデートで改善する可能性があります。

日本が舞台の「サイレントヒル」

過去作のサイレントシリーズはアメリカの観光地「サイレントヒル」が舞台となっており、そのままタイトルとなっている。町は霧に包まれており寂れた雰囲気であるが、町自体に不思議な力があり、登場人物の心理面の投影や具現化する力を宿している。

今作は過去作同様に「サイレントヒル」が舞台でなく、1960年代の日本の架空の地名「戎ヶ丘えびすがおか」が舞台となっている。

日本が舞台の似たようなホラーアドベンチャーゲームは「SIREN」シリーズや「零」シリーズが存在する。零シリーズは過去作のリメイクが発表されているが、SIRENシリーズは2008年の「SIREN: New Translation」で途切れてしまっている(一応、PSクラシックスカタログとして2024年に追加された)

どちらのシリーズも10年以上の新作がなく、日本が舞台のホラーアドベンチャーゲームとしての登場はある意味新鮮に感じられる。

近接メインの戦闘

戦闘面も過去作と大きく異なり、ソウルシリーズのような持久力を管理しながら攻撃や回避を行っていく。また、集中ゲージや精神力といったゲージもあり、見切り反撃など重要な場面に消費することがあるなど本作ならではの戦闘システムとなっている。

敵をロックオンをし、カメラを追従させながら戦闘を行える。だが、ソウルシリーズをプレイしたことがあると、ややカメラワークの追従に難があると感じた

また、精神力が尽きると回復までにやや時間を要する。ソウルシリーズなどの即時回復に慣れてしまうと痛い目をくらってしまう(特定のお守りにてある程度カバー可能)

過去作にあった銃などの遠距離武器が無く、すべて近接武器となっている。また、一部の過去作にあった武器の耐久性も存在している(社殿での武器や一部の武器は除く)。個人的には問題なかったが、遊ぶ人によっては好みが分かれる仕様である。

各ゲージを管理しながら闘う戦闘システムはアクションゲームが苦手な方には難しいかもしれない。また、サイレントヒルはバイオハザードのようにサバイバルホラーの側面より物語や雰囲気を重視するシリーズである。単調さを打破のためと思われるが過去作をプレイしていると違和感を感じるかもしれない。

システム面において

セーブポイントも兼ねている祠では、アイテムを奉納をすると功徳ポイントが加算される。そのポイントを消費することで能力値アップやお守りを引くことで可能。能力値アップでは体力や精神力、お守りは戦闘での補助効果(バフ)を担う。近接メインの戦闘における救済のようだ。過去のサイレントヒルには無く、違った作品のように見受けられた。

また、アイテムの所持に制限があり、所持増加のアイテムが乏しい序盤ではすぐにいっぱいとなる。祠で奉納をしたりして減らすことができるが、所持上限の状態でアイテムを拾った場合、所持アイテムを捨ててその場で交換をする形となる。その場で落ちているアイテムを使用できれば、と思ったことが何度かあった。

アイテムはホットキーで登録が可能。メニューを開かなくてもボタン操作でその場で使用可能。便利機能であるが難点もある。そのアイテムを使い切った場合、アイテムのホットキーでは「0」の状態で残り続け、別のアイテムを登録したい場合は新たにアイテムを設定しなければならない。また、ホットキーに登録をしないとアイテムを使えない。あえてこのような仕様なのか分からないが、不便機能となっている。

物語面、登場人物において

ネタバレであり省略するが、一週目では漠然としており物語の把握が難しく、周回プレイをこなしていき物語を補完していくスタイルとなる。周回プレイにおけるムービーの細かい変化や落ちているアイテムなど一週目と変化している部分がある。考察しがいのある物語は好きであり、周回プレイも楽しめたのだが、周回プレイありきのスタイルは受け入れがたいと感じる人もいるかもしれない。

登場人物は、物語の進行具合に合わせて主人公の手記に各キャラの人物像や関係性を描き、どういった人物かを教えてくれる。どのキャラも主人公との関係性は深く、物語においても重要な存在となっている。

最後に

過去作のように舞台であった「サイレントヒル」との関りが乏しく、一週目が終わったところではどうしてもサイレントヒルなのかな?といった印象があった。周回を重ねていくと、霧の表現や登場人物の心理面の投影や具現化している部分などシリーズを共通している設定であると感じることができた。

また、謎解きの特徴や鉄パイプが主要頻出武器であることなどシリーズを象徴付ける部分もサイレントヒルっぽいなとも思った(サイレントヒルだが)

しかし、どうしてもそこまでに留まってしまい「サイレントヒルらしくはないが、サイレントヒルっぽさはある作品」といった自分でもどう表現したいのか分からない印象となっている。

やはり日本が舞台といった感じだけでなく、成長要素やアクション面が強い戦闘など過去作と一線を画していることが要因かもしれない。

もし、これがサイレントヒルと題名が付いて無くて別のタイトルのホラーアドベンチャーとなっても納得してしまう可能性がある。

全体を通して辛口な意見を多くしてしまったが、作品自体は楽しめた。「学校」のように戎ヶ丘内の探索ロケーション(過去作では病院など)がもう少しあれば嬉しかったかな。

最後に、PS5におけるパッケージの初週販売数が5万本以上とシリーズの中でも多い販売数であり驚いた。おそらく、シリーズ初プレイの方も多いのだろう。さまざまな意見があるだろうが、もし今作を楽しめたのなら過去作をプレイしてみてはいかがだろうか。

コメント

タイトルとURLをコピーしました